「自」と「他」や「それ以外のもの」についての境界線を曖昧に・・・

山本無我の新譜「蒲の花穂」が届いた。
全編リバーブを効かせたエレキギター一本での弾き語り。最初に「ライカスパイダー」に触れたときの感覚が甦る。

内容は過去や現在の境界線もなく徹底して「自分」についてのこと。「他者」に呼びかけることもなく坦々と歌う。
でもライブをやったり、こうやって作品をリリースするということを考えると「他者」が眼中にないということではなく自己完結してるわけでもないのだろう。
一度しかお会いしたことは無いけど、何というか・・・一言で言えば「壁」がない人。

夜と朝の境目の午前4時くらい、眠りと覚醒の境目の状態で聴くと自然とこちら側(彼からみれば他者)に染み込んでくる。

この人の音に共鳴してしまうと、いろんな境界線が曖昧になってしまう。
あとは受け取る側の問題。ただ彼はギターを弾いて自分の事を歌うだけ。
危険。でも嫌じゃない。

僕は80年代にライカスパイダーに出会って以来、この人のことがずっと気になって仕方が無い。

(追記)「歌ってるのは自分の事だけじゃないやん。」って突っ込みが、さっきあったんだけど・・・すみません、うまく説明できんですが自分的解釈です。